一般的には、五十肩と呼ばれておりますが、正式には、癒着性関節包炎です。

発症原因は、副腎系ホルモンのバランス変化が大きな原因です。それゆえ、この症状は更年期性の疾患です。更年期の症状といえば内科的なものばかりを考えがちですが、痛みの領域にもたくさんあります。そのほとんどが加齢性代謝異変より生ずる痛みの疾病です。五十肩はその中でも代表的な疾患にあげられます。

 肩関節の動きは筋肉の動きによることは、言うまでもないことですが、それだけでなく、肩関節内の関節包が伸び縮みして初めて動きます。これは肩関節に限らず、他の関節でも同様です。肩関節だけが、極端な症状を出すかと言えば、ソケット関節だからです。他の関節は靭帯で守られているので、このメカニズムは多少アバウトでも関節に及ぶ危険は回避できます。しかしソケット関節である肩関節は、100%周りの筋肉によって守られております。したがって周りの筋肉のいずれかの内的状況に大きな変化が起きれば関節包は過敏に反応し、関節可動域を狭くすることにより周囲筋の動きを制限しようとします。このために、最初には関節包の伸展障害、次に関節包の過剰収縮、最後に癒着となります。

これらは、すべて、関節の安全を図ろうとして過剰になりすぎた結果、起きたことです。このような行き過ぎは、やがて自然に是正されます。放っておいても自然に治りますが、自然に任せたのでは、その間が辛いし、我慢するには期間が長すぎます。